124話「パリに来て一週間。」

パリに来て一週間。
日が長い長い。夜10時になっても明るい。

だけど思ってたよりも寒くて
服を買おうか。。いや。でももうちょっと待てば暖かくなるはず、、、
荷物をこれ以上増やしたくない。その想いが買い物をストップさせる。

旅人の悩みの種。

こっちに来てから、ほぼ毎日最低でも4時間は外を歩き通してる。
とにかく町が知りたいから。

毎日毎日歩くけど、どうも頭の中はNYでいっぱい。

比べてしまう自分と、
今を楽しまなきゃ!って、
比べるのをやめさそうとする自分との葛藤。

でもそんな事言ったって自分の気持ちに嘘はつけない。

日本に居る時ずっと伏せていた寂しい感情がフランスに来て表に出て来た。

日本に3ヶ月居た間は、仕事を詰めれるだけ詰めて、
制作やワークショップ、ぼーっとする暇が無いようにとにかく忙しく過ごした。

去年楽しいときも辛いときも一緒にニューヨークで過ごした友達、
支えとなってくれた人、

それでも日本で頑張る!
って日本に帰ったから泣き言言えず、ただひたすらに突き通した。

だけど日本でもない、ニューヨークでもない、
発信しきって空っぽで吸収を望んでる乾いたスポンジみたいな心と体が
どうにも満たされず悲鳴をあげてる。

こっちに来て何日間か6人部屋のドミトリーでの生活だったから、
制作なんて出来なくて、しばらくマクラメ編んでなかったから余計に不安が募る。

前にも小話で書いた事あると思うけど、そういう時、
本当不思議だけど、魔法が解けちゃったみたいに作っても作っても形にならず、
どうやって作ってたのか忘れちゃったみたいになる。

南足柄のアトリエは寂しかったけど安心して
作業の出来る良い空間だったなあって身にしみる。

このところ、自分の住む場所や身を寄せる場所ってのは、
人格さえも左右すると痛感している。

旅を始めたばかりの頃の私は、
ドミトリーやゲストハウスのリビングとか、とっても楽しい場所だった。

けど、今は大勢人が居る空間や、
入れ替わりの激しい宿での生活は心が落ち着かず集中力にかけ、
物を作るどころでは無くなって、落ち着いて物を作るには、
まずは人間関係を安定させようという意識が勝手に働き始めてしまって
頭がその事でいっぱいになってしまう。

でも入れ替わりの激しい宿だったりすると
その思考に終わりが無くなってきて、
だんだん物作り出来ない事に不安や焦りが増していって、具合さえも悪くなる。

ここまでわかってるんだからもう解決策は分かってる。

これはとっくの昔に学んだいつもの繰り返しだけど、
滞在費を安く押さえようとして忘れた頃に繰り返してしまう
私の悪い癖のようなものな気がする。

私にとっては制作する事が人生の最優先事項で、
楽しい人間関係や滞在費の安さなんてのは優先したら
全てが上手くいかなくなるんだなーって、ちょっぴり反省中。

頭の中のぐちゃぐちゃが上手く外に出てってくれるのを静かに待つしかない今夜。

だけどやっぱり救いはマクラメで、天然石をベットの上に広げて、
さて次は何を作ろうって考えるだけで、少しずつ大丈夫になっていく。

糸を選んで、出来上がりを思い浮かべて、手に取ってくれる誰かを想像して。

明日天気が良ければ、ここパリで制作し、
仕上がった作品を撮影しに散歩が出来たらいいな。

思ってたよりも短い滞在になってしまったから、制作数は少ないけど、
いろんな葛藤の中、パリから生まれたMaktubの作品を早くみんなに見てもらいたいです。

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